サイトリニューアル完全ガイド(大規模サイト対応)
サイトリニューアルの進め方、費用、注意点など、プロジェクトを成功させるための知識をまとめています。数千ページ規模のコーポレートサイトなど、大規模リニューアル特有の進め方・体制づくりについても本ガイドで解説しています。
サイトリニューアルの進め方|全体の8ステップ
サイトリニューアルは、デザインを決めるところから始めると手戻りが起きやすくなります。先に目的と現状を整理し、そのうえで要件を固めてから制作に入る順序が基本です。全体の流れは次の8つに分かれます。
1つめは現状の把握です。アクセス数、問い合わせ件数、更新の手間など、いま何が課題なのかを数字で確認します。2つめは目的の設定で、リニューアルによって何をどこまで改善するのかを決めます。3つめは要件定義、4つめは制作会社の選定と依頼です。5つめが設計、6つめが制作と実装、7つめが移行とテスト、8つめが公開と公開後の確認になります。
全体の期間は、コーポレートサイトの規模で3〜6か月程度を見込むのが一般的です。このうち要件定義に十分な時間を取れたかどうかが、後半の手戻りの量を左右します。
企画|現状の把握 → 目的の設定 → 要件定義|社内で進める期間
選定|RFPの作成 → 制作会社の選定 → 契約|社内と各社のやり取りが中心
制作|サイト設計 → デザイン → 実装|制作会社が主体
移行|コンテンツ移行 → 転送設定 → テスト|社内の確認作業が増える期間
公開|公開作業 → 公開後の確認 → 改善|公開後1〜3か月は数値の推移を確認
要件定義で整理しておく項目
要件定義は、制作会社に「何を作ってほしいか」を伝えるための整理です。ここが曖昧なまま各社に見積もりを依頼すると、会社ごとに前提が異なる提案が集まり、比較ができなくなります。
最低限そろえておきたいのは次の6点です。目的と達成したい状態、対象となる利用者、必要なページの一覧、更新する箇所と更新する担当者、必要な機能、公開希望日と予算の範囲です。
このうち見落とされやすいのが「更新する箇所と担当者」です。公開後に誰がどの部分を更新するかを決めておかないと、管理画面から編集できる範囲の設計が定まらず、公開後に「ここが直せない」という状況が起きます。
また、現行サイトで使っている外部サービス(フォーム、アクセス解析、広告のタグ、予約システムなど)の一覧も、この段階で洗い出しておいてください。移行時の設定漏れは、公開直後に気づきにくい種類の不具合です。
要件定義書の具体的な書き方とテンプレートは、下記の記事で扱っています。
リニューアル時のSEOで落としてはいけない設定
リニューアル後に検索順位が下がる事例の多くは、コンテンツの質ではなく、移行時の設定の抜けが原因です。デザインと構造を変える以上、順位の変動そのものは避けられませんが、下げ幅を小さくすることはできます。
最も影響が大きいのはURLの扱いです。URLを変更する場合、旧URLから新URLへの転送設定(301リダイレクト)を一対一で用意します。まとめてトップページに転送する設定にすると、個別ページが積み上げてきた評価は引き継がれません。
次に、公開前の検証環境に設定した検索避けの記述を、本番公開時に外し忘れないことです。この設定が残ったまま公開されると、検索結果からサイト全体が消えます。公開当日の確認項目として必ず入れてください。
このほか、ページごとのtitleとdescriptionの引き継ぎ、正規URLの指定、サイトマップの再送信、構造化データの再設定が、確認すべき項目になります。
公開後は、検索順位と表示回数の推移を最低でも1か月は追ってください。一時的な変動と、設定の不備による下落は、推移の形が異なります。
サイトリニューアル時のSEO対策|順位を落とさない11の施策
公開前|旧URLと新URLの対応表を作成した
公開前|検証環境の検索避け設定を外した
公開前|各ページのtitleとdescriptionを確認した
公開前|フォームの送信テストを行った
公開前|アクセス解析と広告のタグを設置した
公開直後|転送設定が想定どおり動作するか主要URLで確認した
公開直後|サイトマップを検索エンジンに送信した
公開直後|スマートフォンでの表示を実機で確認した
公開後1週間|検索結果に新しいtitleが表示されているか確認した
公開後1か月|表示回数と検索順位の推移を確認した
費用の考え方|規模別の内訳
リニューアルの費用は、ページ数だけでは決まりません。同じページ数でも、デザインを何種類作るか、既存コンテンツをどこまで作り直すか、管理画面から更新できる範囲をどこまで広げるかによって工数が変わります。
費用の内訳は、大きく「企画・要件定義」「デザイン」「実装」「CMS構築」「コンテンツ移行」「テスト・公開」「公開後の保守」に分かれます。このうち規模が大きくなるほど比率が上がるのが、コンテンツ移行とテストです。数千ページ規模になると、この2つが全体の中で無視できない割合を占めます。
予算を検討する際は、公開までの費用だけでなく、公開後の運用費まで含めた総額で見てください。公開して終わりではなく、更新と改善を続けることで成果が出る領域です。
大規模サイト特有の進め方(数千ページ規模)
数千ページ規模のサイトでは、これまでの手順がそのままでは通用しない部分が出てきます。違いは主に3つです。
1つめは、全ページを人手で確認できないことです。ページの型を洗い出し、型ごとに代表ページを決めて確認する方式に切り替えます。型の数が確認作業の量を決めるため、企画の段階で型を整理しておくことが工数の削減につながります。
2つめは、コンテンツ移行が独立した工程になることです。小規模サイトでは実装の一部として扱える作業が、大規模では移行スクリプトの作成、変換結果の検証、差分の修正という一連の工程になります。旧サイトの入力内容が統一されていない場合、この工程の負荷はさらに上がります。
3つめは、段階的な公開を検討する余地があることです。全ページを一度に切り替えるのではなく、セクション単位で移行する方法を採れば、影響範囲を限定できます。ただし移行期間中は新旧が併存するため、内部リンクと転送設定の管理が複雑になります。どちらが適するかは、サイトの構造と社内の体制で判断してください。
また、大規模サイトでは関わる部署が増えます。誰が何を承認するかを最初に決めておかないと、確認待ちで工程が止まります。
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