SEO改善事例|サイトリニューアル後に検索流入が2倍になった施策
SEO・Web集客の教科書サイトリニューアル後に検索流入が2倍になったSEO改善事例を解説します。課題分析から施策実施・成果測定までの一連のプロセスと、再現性のある改善ポイントをまとめています。
はじめに
本記事では、BtoB SaaS企業C社のコーポレートサイト+サービスサイトのリニューアル・SEO改善プロジェクトのケーススタディを解説します。Next.js+Vercel+ヘッドレスCMSへの移行・コンテンツ戦略の再設計・テクニカルSEOの全面改善により、リニューアル後6ヶ月でオーガニック流入を2倍にした事例です。
企業・プロジェクトの概要
企業概要
業種:BtoB SaaS(製造業向け受発注管理ツール)
従業員数:80名
旧サイト:WordPress、制作から4年経過
主要な課題:「製造業 受発注管理」「受発注システム 比較」などの主要キーワードで競合に順位で劣後しており、SEO経由のリードが月12件にとどまっていた
リニューアル前の現状分析
技術的な課題
指標 | リニューアル前 |
LCP(モバイル) | 3.9秒 |
PageSpeed Insightsスコア(モバイル) | 42 |
Core Web Vitals「良好」達成率 | 18% |
インデックス済みページ数 | 94ページ |
SEO・コンテンツの課題
キーワードポジションの問題
Ahrefsで確認した結果、主要キーワード「受発注管理システム」(月間2,800回)での順位は平均15.3位と2ページ目以降。競合A社は3.2位、競合B社は5.8位でしました。
コンテンツ量の不足
競合A社のサイトが180本以上の記事・事例コンテンツを保有しているのに対し、C社は32本にとどまっていました。検索ボリュームのある情報収集型キーワード(「受発注管理とは」「受発注システム 導入メリット」等)に対応するコンテンツが存在しなかった。
タイトル・メタ設定の不備
32ページのうち9ページがデフォルトのタイトル(「サービス名 | 会社名」)のみで、キーワードを含まない設定になっていました。
施策の設計
方針1:技術基盤のモダン化
WordPressからNext.js+Vercel+Orizm(ヘッドレスCMS)への移行を決断しました。
技術移行の目標
LCPを3.9秒→1.5秒以下に改善
PageSpeed InsightsモバイルスコアをSeo対策 70以上に改善
静的生成(SSG/ISR)でWordPressの構造的な速度問題を解消
方針2:コンテンツ戦略の全面再設計
Ahrefsを使ったキーワード調査・競合分析を実施し、以下の優先順位でコンテンツを設計しました。
キーワードマップの作成
ターゲットキーワードを「購買フェーズ」「比較検討フェーズ」「情報収集フェーズ」に分類しました。
購買フェーズ(月10〜20件):「受発注管理システム 費用」「受発注システム 比較」
比較検討フェーズ(月50〜300件):「受発注管理システム おすすめ」「受発注 電子化 メリット」
情報収集フェーズ(月100〜1,000件):「受発注管理とは」「受発注業務 効率化」「EDI 受発注 違い」
情報収集フェーズのキーワードが最も検索ボリュームが大きく、かつ競合が弱い(KD 5〜15程度)ものが多かったため、ここへの集中投資を最優先としました。
コンテンツ制作計画
月8本ペース(内製2本+外注ライター6本)で年間96本のコンテンツ追加を計画。プロジェクト開始から6ヶ月で48本のコンテンツを新規公開する目標を設定しました。
方針3:テクニカルSEOの全面改善
サイト移行のタイミングで以下を同時に実施しました。
全ページのタイトル・メタディスクリプションの最適化
canonicalタグの設定(www有無・末尾スラッシュの統一)
XMLサイトマップの動的生成・Search Consoleへの送信
構造化データの実装(Organization・BreadcrumbList・FAQPage)
旧URLから新URLへの301リダイレクト設定(旧サイトの32URLすべて)
robots.txtの適切な設定
実施した具体的な施策
テクニカルSEO改善の詳細
next/imageによる画像最適化
旧サイトには最適化されていない高解像度の製品スクリーンショット画像(最大3MB)が複数使用されていました。next/imageに移行することで、自動WebP変換・適切なリサイズ・遅延読み込みが実装され、画像関連のLCPへの貢献を大きく改善しました。
フォント最適化
旧サイトではGoogle Fontsをhead内で読み込んでいたため、フォントのレンダリング前にレイアウトシフトが発生しCLSを悪化させていました。next/fontに移行することでCLSをゼロに近づけた。
静的生成の活用
サービスページ・ランディングページはSSG、ブログ記事・事例はISR(30秒間隔の再生成)を採用しました。
コンテンツSEO施策の詳細
既存コンテンツのリライト
旧サイトの32ページを精査し、以下の基準でリライト・削除を判断しました。
過去12ヶ月で10クリック未満かつ更新から1年以上:内容を充実させてリライト
類似内容のページが複数:統合して1本の充実したページに
ビジネス目的がない・薄いコンテンツ:削除してnofollowリダイレクト
結果として32ページを14ページに統合・整理しました。
新規コンテンツ制作の優先キーワード
情報収集フェーズのキーワードに対応する記事を優先的に制作しました。
主な公開記事例:
「受発注管理とは?業務フロー・課題・デジタル化のメリットを解説」(月間検索量:700回・KD:8)
「受発注業務の効率化方法7選|中小製造業の事例付き」(月間検索量:350回・KD:5)
「EDIと受発注システムの違いとは?製造業担当者向けに比較」(月間検索量:200回・KD:3)
内部リンク戦略の設計
情報収集型コンテンツ(上位ファネル)→比較検討コンテンツ(中位ファネル)→問い合わせページ(コンバージョン)というファネルに沿った内部リンク構造を設計しました。
被リンク獲得施策
オリジナル調査レポートの発表
「中小製造業の受発注デジタル化実態調査2025」というオリジナル調査を実施し、プレスリリースとしてPRタイムスで配信しました。業界メディア3媒体への掲載と被リンク7本を獲得しました。
リニューアル後の成果
技術パフォーマンス(リニューアル後1ヶ月)
指標 | 前 | 後 | 変化 |
LCP(モバイル) | 3.9秒 | 1.4秒 | 2.8倍改善 |
PageSpeed Insightsスコア(モバイル) | 42 | 84 | +42点 |
CLS | 0.18 | 0.02 | 0.16改善 |
Core Web Vitals「良好」達成率 | 18% | 91% | +73pt |
SEO・ビジネス指標(リニューアル後6ヶ月)
指標 | リニューアル前 | 6ヶ月後 | 変化 |
月次オーガニック流入 | 3,800 | 7,600 | 2.0倍 |
月次SEO経由リード数 | 12件 | 31件 | 2.6倍 |
「受発注管理システム」平均順位 | 15.3位 | 7.2位 | 8.1位上昇 |
インデックス済みページ数 | 94 | 186 | 2.0倍 |
主要ページの被リンク数 | 28 | 47 | 1.7倍 |
時系列での変化
リニューアル後1ヶ月:技術指標の改善。Search Consoleのクロールエラーがゼロに。流入はほぼ変化なし。
リニューアル後2〜3ヶ月:新規コンテンツのインデックスが進み、ロングテールキーワードでの流入が徐々に増加。平均順位が12.1位に改善。
リニューアル後4〜5ヶ月:情報収集型コンテンツからの流入が本格化。月次流入が5,000を突破。
リニューアル後6ヶ月:目標の2倍達成。主要キーワードで7.2位と1ページ目確保。
成功要因の分析
要因1:技術基盤の改善がコンテンツ評価を後押ししました
LCPが1.4秒と改善されたことで、Googleがコンテンツをより積極的にクロール・評価するようになったと考えられます。Core Web Vitalsの改善が「間接的なSEO評価向上」として機能しました。
要因2:情報収集型キーワードへの集中投資が奏功しました
「購買フェーズのキーワード」に集中するのではなく、検索ボリュームが大きく競合が弱い「情報収集型キーワード」への投資が、6ヶ月という比較的短期間での成果につながった。
要因3:内部リンク設計がコンバージョンを生んです
情報収集型コンテンツから比較検討ページ・問い合わせページへの導線設計が機能し、SEO経由リード数が流入増加の2.6倍(流入2.0倍に対してリードは2.6倍)に増加しました。
まとめ
本ケーススタディは、技術基盤のモダン化・コンテンツ戦略の再設計・テクニカルSEOの全面改善を同時に進めることで、6ヶ月でオーガニック流入2倍を実現した事例です。
本シリーズ「SEO・Web集客の教科書」の全14記事を通じて、SEOの基礎概念から具体的な施策・ツール・費用・事例まで体系的に学ぶことができます。各記事で解説した内容を組み合わせ、自社のSEO戦略の設計・実行に役立ててください。
エージェント型Web・AIアプリ
開発のご相談
chot inc.ではエージェント型Webの設計・構築・
運用を
一貫してサポートしています。