オウンドメディア事例|月間10万PVまで成長させた施策記録
オウンドメディア・コンテンツ戦略月間10万PVまで成長させたオウンドメディアの施策記録を解説します。ゼロからの立ち上げ・6ヶ月での戦略転換・ロングテール戦略・リライトの継続がもたらした成果をまとめています。
はじめに
本記事では、BtoB HRTech企業F社のオウンドメディア立ち上げから月間10万PVを達成するまでの2年間の施策記録を解説します。「ゼロから始めて・どんな失敗をして・何を変えたら成果が出たか」という実務的な経験から学ぶことで、自社のオウンドメディア戦略に活かせる知見を提供します。
企業・オウンドメディアの概要
企業概要
業種:HRTech(採用管理・オンボーディングSaaS)
従業員数:45名
サービス対象:中小企業(従業員30〜300名)
オウンドメディアの目的
採用担当者・人事担当者へのリーチ拡大
SEO経由のトライアル申込み増加
業界での専門性ブランドの確立
立ち上げ期(0〜6ヶ月):試行錯誤と失敗
初期の体制
内製:マーケティング担当者1名(兼務)
月間制作本数:4〜6本
CMS:WordPress
最初の6ヶ月の結果
公開記事数:28本
月間オーガニック流入:最大620セッション
トライアル申込み:0件(オウンドメディア経由)
失敗の原因分析
問題1:競合が強すぎるキーワードを狙っていた
「採用管理システム 比較」「ATS おすすめ」など競合の強い(KD 40〜60)キーワードを28本すべてで狙っていた。6ヶ月経っても検索結果の1ページ目に入れたのは0本。
問題2:コンテンツが薄かった
「採用管理とは?」「面接の流れ」など、競合も書いている一般的なコンテンツで独自性がなかった。
問題3:ターゲットが曖昧でしました
「採用に関わる人全般」というターゲット設定で、誰にでも向けた結果誰にも刺さらなかった。
転換期(6〜12ヶ月):戦略の全面見直し
6ヶ月時点での戦略見直し
社外のSEOコンサルタントに相談し、以下の3つの方針転換を行った。
転換1:ターゲットの絞り込み
「採用担当者全般」から「中小企業の人事担当者(兼務)で、採用業務の効率化に課題を持つ人」に絞り込んだ。
この絞り込みにより、コンテンツの具体性が増し、「自分向けの記事だ」という読者の反応が改善した。
転換2:キーワード戦略の全面変更
KD 40以上の「ビッグキーワード」から撤退し、KD 10以下のロングテールキーワードに集中した。
転換前:「採用管理システム 比較」(月間検索8,000・KD 55)
転換後:「中小企業 採用管理 エクセル 限界」(月間検索200・KD 3)
ロングテールは1記事あたりの流入は少ないが、上位表示できる確率が格段に高く、実際に成果につながった。
転換3:独自情報の導入
社内の採用担当者(実際に採用業務を担当しているメンバー)に定期的にインタビューし、「現場の声」を記事に含めるようにした。
「中小企業の採用担当者が月に何時間を採用業務に費やしているか(社内調査)」「面接で実際に聞く質問トップ10(自社担当者へのアンケート)」など、他社が書けないオリジナル情報が記事に加わった。
転換後の結果(6〜12ヶ月)
公開記事数(追加):48本(累計76本)
月間オーガニック流入:最大8,400セッション(転換前の13倍)
トライアル申込み:月6件(オウンドメディア経由)
成長期(12〜24ヶ月):積み上げと最適化
体制の強化
12ヶ月時点で、月間流入が8,000を超えたことを経営層に報告し、以下の体制強化を実現しました。
外注ライター2名を追加(月8本の外注制作)
Ahrefsを導入(データドリブンなキーワード選定)
CMSをWordPressからヘッドレスCMS+Next.jsに移行(表示速度改善)
月次施策の詳細
記事制作(月12本)
内製:月4本(社内の専門知識・事例を含む記事)
外注:月8本(KWリサーチ・ブリーフィングをマーケ担当が担う)
リライト(月4記事)
流入ランキングで11〜30位の記事を毎月4本リライトし、1ページ目入りを目指しました。この施策が12〜18ヶ月の流入増加の主要因になりました。
内部リンク整備(月1回)
月次でサイト全体の内部リンク状況を確認し、新しく公開した記事を既存記事に追加リンクします。
CVポイントの最適化
オーガニック流入が多い記事トップ20について、CTAのデザイン・配置・コピーを改善しました。この施策でCVRが0.8%→1.6%に改善しました。
CMS移行の効果
WordPressからNext.js+ヘッドレスCMSに移行したことで、LCPが4.2秒→1.6秒に改善し、PageSpeed InsightsのモバイルスコアがPreviously: 38→89に向上しました。
この表示速度改善後、Search ConsoleでのCore Web Vitals「良好」率が18%→91%に改善し、翌月から検索順位の改善が加速しました。
24ヶ月時点での成果
指標 | 開始時(0ヶ月) | 12ヶ月後 | 24ヶ月後 |
月間オーガニック流入 | 0 | 8,400 | 103,000 |
公開記事数 | 0 | 76 | 189 |
月間トライアル申込み(媒体経由) | 0 | 月6件 | 月38件 |
オウンドメディア経由CPL | — | 28,000円 | 9,500円 |
平均掲載順位(主要KW) | — | 18.3位 | 6.2位 |
10万PVを達成した要因分析
要因1:ロングテール戦略の徹底
競合の強いビッグキーワードに挑戦せず、KD 10以下のロングテールを積み上げたことで、「じっくり積み上げる」戦略が24ヶ月で実を結んです。現在の流入の72%は、月間検索数500以下のロングテールキーワードからです。
要因2:リライト施策の継続
新規記事の制作と並行して、既存記事のリライトを月4本継続したことが、流入増加の加速に大きく貢献しました。「11〜30位→1〜10位」という移動は、新規記事の上位表示より短期間で実現できることが多いです。
要因3:CMS移行による表示速度の改善
Next.js+ヘッドレスCMSへの移行によりLCPが大幅に改善し、Core Web Vitals「良好」率の向上が検索順位改善を加速させた。
要因4:CVポイントの継続的な最適化
流入が増えるに従って、CVR(トライアル申込みへの転換率)を継続的に改善したことで、月38件という高いリード獲得数を実現しました。
失敗から学んだ教訓
教訓1:最初の6ヶ月の失敗は「学習」として受け入れる
最初から完璧な戦略で始めることは難しいです。早めに失敗を認識し、データに基づいて方向転換する「仮説→実行→測定→改善」のサイクルを速く回すことが重要です。
教訓2:「勝てるキーワード」から始める
最初から強い競合と戦わず、KDが低いキーワードで実績を積み、Googleからの信頼(ドメイン権威)を高めてから競合の強いキーワードに挑戦するという順序が正しい。
教訓3:リライトは新規制作と同等に重要
「新しい記事を作ることばかり考えていたが、既存記事を改善することが同じかそれ以上の成果をもたらした」というのが担当者の実感です。
まとめ
本ケーススタディは、0から始めたオウンドメディアが「失敗→方向転換→積み上げ→成熟」という24ヶ月のプロセスで月間10万PVを達成した記録です。
「ロングテール戦略の徹底・リライトの継続・CMS移行による表示速度改善・CVポイントの最適化」という4つの施策の組み合わせが成功の鍵でした。
本テーマ「オウンドメディア・コンテンツ戦略」では、オウンドメディアの基礎概念から立ち上げ方・KPI設計・記事の書き方・外注活用・改善戦略まで体系的に学ぶことができます。自社のオウンドメディア戦略の参考として活用してください。
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