表示速度の計測方法|PageSpeed Insights・GTmetrixの読み方
サイト表示速度とCore Web Vitals表示速度の計測方法としてPageSpeed InsightsとGTmetrixの読み方を解説します。スコアの構成・ウォーターフォールの読み方・2つのツールの使い分けをまとめています。
はじめに
表示速度の改善を始めるには、まず「現状を正確に把握する」ことが必要です。主要な計測ツールとして「PageSpeed Insights」と「GTmetrix」が広く使われているが、それぞれ特性が異なり、レポートの見方にもコツがあります。
本記事では、PageSpeed InsightsとGTmetrixの使い方・レポートの読み方・使い分けを解説します。
PageSpeed Insights
概要
PageSpeed Insights(PSI)はGoogleが提供する無料のWebページ速度診断ツールです。URLを入力するだけで、モバイル・デスクトップのパフォーマンススコアと改善提案が表示されます。
アクセス先:pagespeed.web.dev
レポートの構成
Field Data(フィールドデータ)
ページ上部に表示される実際のユーザーのブラウザから収集されたデータです(CrUX: Chrome User Experienceレポートを使用)。過去28日間のデータの集計で、LCP・INP・CLSの実測値が「良好・要改善・不良」で表示されます。
トラフィックが少ないページはField Dataが不十分で表示されないことがあります。
Lab Data(ラボデータ)
Lighthouseで計測したシミュレーションデータです。FCP・LCP・TBT・CLS・SI・TTIの各指標がスコアとともに表示されます。
Opportunities(改善の機会)
実施すれば改善が見込まれる具体的な施策と、推定改善効果が表示されます。
Diagnostics(診断)
パフォーマンスに影響する可能性がある問題の詳細情報。
重要指標の見方
Performanceスコア(0〜100)
90以上が「良好」。70未満は要対応。まず「モバイルスコア」を重視します。
LCP(Largest Contentful Paint)
「○秒」という数値で表示されます。緑(2.5秒以下)を目指します。
TBT(Total Blocking Time)
メインスレッドをブロックするJavaScriptの合計時間。200ミリ秒以下を目標とします。
CLS(Cumulative Layout Shift)
スコアが「0.1以下」なら良好。特にモバイルでの値に注意します。
GTmetrix
概要
GTmetrixはカナダのGT.net社が提供する無料(有料プランあり)の速度計測ツールです。PageSpeed InsightsよりUI・詳細さ・視覚的なウォーターフォールが優れており、発注担当者への説明・詳細なデバッグに向いています。
アクセス先:gtmetrix.com
GTmetrixの主な特徴
ウォーターフォールチャート
ページを構成する各リソース(HTML・CSS・JavaScript・画像等)がどの順序で・どのくらいの時間をかけて読み込まれるかを視覚的に表示します。ボトルネックの特定に非常に有用です。
視覚的なページ読み込みの録画
ページが読み込まれる過程を時系列で視覚化(スクリーンショットの連続)し、どのタイミングでどのコンテンツが表示されるかを確認できます。
計測地点の選択
日本・アメリカ・ヨーロッパ等の複数のサーバー拠点から計測できます。日本からの計測は、日本のユーザーが体験する実際の速度を把握するのに重要です(無料プランでは一部の地点のみ利用可能)。
比較計測
改善前後のURLを比較するレポートを生成できます。
GTmetrixスコアの読み方
GTmetrix Grade(A〜F)
GTmetrix独自のグレードで、PageSpeed Insightsのスコアとは異なる基準。A(90〜100%)が最良。
Performance
LighthouseのPerformanceスコアに相当します。
Structure
GTmetrixが独自に評価するベストプラクティスへの準拠度。
Web Vitals
LCP・INP・CLSのCore Web Vitals指標。
ウォーターフォールの読み方
ウォーターフォールは横軸が時間、縦軸が各リソースを表す。各リソースのバーは以下を示す。
青(DNS Lookup):DNSの名前解決時間
緑(Connect・SSL):TCPコネクション・SSL/TLS確立時間
紫(Waiting):サーバーが応答するまでの時間(TTFB)
オレンジ(Receiving):データのダウンロード時間
ボトルネックの特定方法
特に長い「Waiting(紫)」のリソースがある → サーバー応答が遅い
大きなサイズのリソースがある → 画像・CSS・JSの最適化が必要
多数のサードパーティリソースがある → 外部スクリプトの見直しが必要
PageSpeed InsightsとGTmetrixの使い分け
用途 | 推奨ツール |
SEOに関連するField Dataの確認 | PageSpeed Insights |
経営層・クライアントへの説明 | PageSpeed Insights(Googleのツールで信頼性が伝わる) |
ボトルネックの詳細デバッグ | GTmetrix(ウォーターフォールが詳細) |
改善前後の比較 | GTmetrix(比較機能が充実) |
特定地点からの速度確認 | GTmetrix(地点選択が可能) |
定期的なモニタリング | 両方(Search Console + GTmetrixでの定点観測) |
その他の有用な計測ツール
WebPageTest(webpagetest.org)
最も詳細な計測ができる高度なツール。複数のブラウザ・地点・接続速度で計測でき、ウォーターフォール・動画・詳細なタイムラインが取得できます。SEOやパフォーマンス専門家が好んで使用します。
Chrome DevTools(ブラウザ内蔵)
Performance タブ:ページ読み込みと操作のタイムライン記録・FlameChart形式のJavaScript実行分析
Network タブ:各リソースの読み込み時間・サイズのリアルタイム確認・通信速度のスロットル設定
Lighthouse タブ:Lighthouseの計測(前記事参照)
Google Search Console(Core Web Vitalsレポート)
実際のユーザーのField Dataを確認できます。SEOランキングに影響する実測値のモニタリングに必須。
計測の際の注意事項
キャッシュをクリアしてから計測する
ブラウザキャッシュがある状態での計測は「2回目以降の訪問」をシミュレートするため、「初回訪問」の速度より速くなります。初回訪問の体験を正確に測定するためには、キャッシュをクリアしてから計測します。
複数回計測して平均を取る
通信状況の一時的な変動・サーバーの処理量の変動により、同じページでも計測のたびにスコアが変動することがあります。3〜5回計測した平均を取ることで、より安定した評価ができます。
本番環境で計測する
開発環境・ステージング環境ではCDN・キャッシュ・最適化設定が本番と異なる場合があります。本番URLで計測することが重要です。
まとめ
表示速度の計測には「PageSpeed Insights(Field DataとSEOへの影響の確認)」と「GTmetrix(ウォーターフォールを使った詳細なデバッグ)」を目的に応じて使い分けることが有効です。
計測した数値を記録し、改善前後を比較することで「どの施策がどのくらい効果があったか」を客観的に評価できる体制を整えることが重要です。
次の記事では、Core Web VitalsのうちSEOへの影響が最も大きいLCPを改善するための具体的な方法を解説します。
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